ルディ派とセリーナ派に分かれた帝国内部の争いはセリーナ派の勝利に終わった。
ルナ・ラースディアとセリーナ・フォン・ラグライナ。
彼女達は勝利者として歴史に名を刻む―――はずだった。


「はっ・・・はっ・・・」
「ん〜? 反応鈍くなってねーか? まさかもうバテたんじゃねえだろうな」
「大丈夫だって。そういう時はちょっとこうやれば・・・」
「ふあ!? あーーーー!!!」
「な? 効果覿面♪」
「へっへっへ。まだまだ良い声が出るじゃねーか」


どことも知れぬ薄暗い部屋の中で、勝利者であるはずの翼ある者―――ルナがその身を粗野な男達に蹂躙されていた。
両腕を後ろ手に拘束されたルナに抵抗する術はなく、ただただ自分を貫く男達の律動に合わせてくぐもった声をあげるしかなかった。

(こんな・・・こんな下種どもに・・・!)

怒りと屈辱に打ち震えるルナだが、ボールギャグを噛まされた口から意味をなす言葉は出てこない。
歯を食いしばって情けない声を抑えることすら出来ず、口の端からはダラダラと涎を垂れ流す有様だった。

「ハッ、ハッ、ハッ・・・!」
「お、またイクか? イきそうか?」
「〜〜〜〜〜〜!!!」
「そんな必死に首振って否定してもなぁ。こんだけ切羽詰った呼吸してりゃバレバレだっつーの」
「あ、あ、ああ、あはぁっ!!」
「こーゆー反応、あの白い翼のねーちゃんとそっくりっすねぇ。さすが同族」
「・・・!!! っ・・・っっ・・・!!」

男達の揶揄がルナに残された誇りを刺激する。
そう、この男達はルナがエルを陵辱させた夜盗達だった。
夜盗達は事あるごとにエルとルナの反応を比較し、言葉で責め立てた。
胸の大きさ、抱き心地、快感への耐性・・・それがどんなにくだらない事でも、ルナにとってエルと比べられ、エルより下だと見なされる事が何よりの屈辱だった。

(あの女と同じだなんて認めない・・・絶対に認めない・・・!)

きつく目をつむり、全身を強張らせて何とか絶頂をやり過ごそうとする。
だが、そんな事で快楽漬けとなった体を抑えられる訳もなく、あっけなく絶頂へと押し上げられてしまう。


「あはぁ! あ、あ、あああ〜〜〜〜〜〜!!!」
「くっ! よーしまたその黒い翼にぶっ掛けてやるぜぇ!」
「へへっ、感謝しろよ? かたっぽだけ黒いなんてバランス悪いからな!」
「あ・・・ふぁ・・・」

ぐったりと脱力したルナに向かって、引き抜いたモノから白濁液が撒き散らされる。
もう数え切れないほど同じ行為が繰り返された結果、確かに漆黒の片翼は白く染まっていた。



同時刻・・・別室では。


「貴様ら・・・ルディ派の!」
「ああ、覚えていらっしゃいましたか。それは光栄です。セリーナ陛下」

今やラグライナ帝国の女帝となったセリーナ・フォン・ラグライナが、皇帝正装のまま檻の中に囚われていた。檻の前には、かつてルディ派と呼ばれた者達の残党が

「ふん。まさかこのような小物どもにしてやられるとはな」
「小物だからゆえですよ。ルディ様やエル殿といった太陽ばかり直視していた貴方達では、我々の存在に気付かないのは道理でしょう」
「だからと言って、四散したはずのルディ派にここまでの事を起こす力があるはずが・・・」
「そう。そこで私共がお手伝いした訳ですよ。セリーナ陛下?」
「お前は・・・ゴゥド・ゲーテ!? 貴様ら、帝国を共和国に売り渡したのかっ!」
「なんか勘違いしてるみたいだけどさー。別に俺達は帝国がどうなろうと知った事じゃねーのよ」
「彼らとは、貴方を引き渡す条件で話がついてましてね。何、貴方が使った手と同じ事ですよ」
「く・・・くくく・・・それで私をどうする? 姉さんと同じ目に遭わせるか?」

そのような屈辱を受けるならその前に命を絶ってやる―――言葉にせず、覚悟を決めるセリーナ。
だが、そんなセリーナに嘲笑が浴びせられる。

「・・・何がおかしい」
「いやいや、まさかルディ様と同等の扱いを受けられると思っているとはおめでたいな、と」
「なんだと?」
「貴方の相手は彼らですよ。まさか、人として扱ってもらえると思ったんですか?」
「な・・・!?」

振り向いたセリーナの眼前には異形のモノ・・・そうとしか呼べない異形なモノが立ち塞がっていた。
セリーナが反射的に剣を抜くのと、異形のモノの触手が襲い掛かるのは全く同時だった。



「んぷっ!? ぷあ・・・はぁ、はぁ!」

口に捻じ込まれた触手を何とか吐き出し、荒く息をつくセリーナ。
だが間髪いれず次の触手が唇を割って入り、口内に粘つく液体を吐き出していく。

「んんーーーー!? けほっ、ゴホゴホッ」

剣を奪われた手で必死に触手の動きを止めようとするが、たった2本の腕でいかほどの抵抗が出来ようか。
何倍もの数の触手が一斉に鎧の下に潜り込み、帝国で最も高貴な体を嬲り尽くす。

「やめろ・・・くっ・・・そこはぁ!?」
「おやおや、帝国皇帝ともあろう者が、人外の化け物に嬲られて感じているとは。これがあの覇王セルレディカの後を継ぐ者とはねぇ」
「おのれ・・・! 共和国の犬が何を・・・んあっ!? ひああ!!」

触手の先端が肌を舐めるたびにセリーナの体が熱を帯びていく。
敏感な二つの頂きや秘めやかな茂みを刺激されると堪らず体をくねらせて身悶えてしまう。

(こ、このまま・・・化け物の慰み者になるくらいなら・・・)

異形のモノを初めて目の当たりにしたショックで忘れていた『覚悟』を思い出し、意を決する。
だが。

「あ・・・あえ・・・?」
「あ、ようやく効いてきたか。そいつらって、獲物が逃げられないように麻痺させる能力があるみたいなんですよね」
「あ・・・う・・・!」
「いやぁ、麻痺する前に自害されたらどうしようかって冷や冷やものだったけど、却って良い感じに絶望してくれたかな?」
「これからはずーーっとそいつが可愛がってくれるじゃん。ラッキー♪」
「やれやれ。ルディ派ってのは帝国の中じゃ穏健派だって聞いてたんだがな・・・ご愁傷様」
「う・・・うああああああ!!」



その後、帝国がどうなったかは歴史の通りである―――。
(SS:ユウ)